●活性酸素とは
酸素は私たちになくてはならないものです。様々な生命活動の源となるからです。しかし体にとりこまれた酸素のうち3%ほどは活性酸素に変わります。
この活性酸素は体内でいろいろな障害に対抗するものとしてつくられ、たとえば有害なウイルスを攻撃したり、紫外線から肌を守るなどの働きがあります。
有益であるはずの活性酸素ですが、この攻撃性が過度に働くことにより老化や病気などの原因となってしまいます。
活性酸素が発生する原因はいろいろあります。あとで少しふれますが、文明が進めば進むほど体内に活性酸素が大量発生します。したがって現代においては生活環境の変化により活性酸素が過剰につくられる傾向にあるといえるのです。そしてそこから引き起こされる症状が大きな問題となってきています。
主な病的症状の90%が活性酸素によるものとする研究者もいるほどで、健康や美容を考える上で避けて通ることができないものが活性酸素なんです。
●酸化と老化
地球が誕生したはるかむかしにはほとんど酸素はありませんでした。現在の生物にとってなくてはならない酸素は、海で発生した藻類などが光合成をして少しずつ作り出し、20億年以上もかけて作られました。ほとんどすべての動物はこの酸素を使って体内の栄養分を分解し、エネルギーを作り出しています。
酸素が他の物質と結び付くことを「酸化」といいます。たとえば、鉄が時間とともに錆びていくのは鉄が空気中の酸素によって酸化されるからです。またこのときに熱エネルギーが発生します。使い捨てのカイロはこの原理を応用しています。袋に入った鉄粉が空気中の酸素に触れると酸化を始め熱を出すという仕組みです。
また、りんごを切ってしばらくたつと、切り口が茶色に変化してきます。これはりんごの成分が空気中の酸素によって酸化された結果です。
このように酸素に触れたものは必ず酸化していきます。
ほとんどすべての生物は、酸素を使って体の中で栄養分を分解し、エネルギーを得て生きています。そして一つ一つの細胞が血液から酸素と栄養分を受け取り、酸素で栄養分をエネルギーに変えています。
人間はエネルギー発生の過程で酸素を必要とします。一方でその際に使われる酸素に触れた細胞膜、DNAなどが酸化していきます。細胞自体が酸化してしまうと、その機能を果たせなくなり、様々な病気の原因となります。
老化とは、年をとるにつれ体の細胞が酸化されていくことと考えることができます。活性酸素は体にとって好ましくないこの酸化を促進してしまいます。そのために様々な症状の原因となり、有用な酸素に対して悪者の扱いをされてしまうわけなんです。
この細胞の酸化を抑えるはたらきのことを抗酸化といいます。抗酸化には体内の酵素が作用し、これを抗酸化酵素と呼びます。また抗酸化酵素を助ける物質が存在し、これを抗酸化物質と呼びます。
◆活性酸素
体が健康であるとは、体のすべての細胞に酸素と栄養分が十分いきわたり、細胞が元気であることです。
空気中の酸素は比較的安定していますが、呼吸によって体内に取り入れられた酸素は、エネルギーを作り出す代謝の過程で極めて不安定な状態になります。そして不安定になると、近くにある物質と盛んに結びつこうとします。この時の酸素は大変酸化力が強く、これが「活性酸素」です。
生きていくために吸った酸素の中から毒性の強い活性酸素という物質が作り出されています。しかし適量がわずかに存在することは好ましいことです。体に進入する障害に対して抵抗力として働くからです。
一方で過剰に発生した活性酸素は細胞を傷つけて、ガンや心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病を引き起こします。更に、アトピー性皮膚炎、シミ、シワの原因となったり、老化のスピードを早めたりもしています。
活性酸素はあたかも小さな危険物のように体内を転げまわり、触れたものなら何でもかまわず破壊していきます。初めは小さい破壊部分も、抑制されないままだと細胞の損傷と病気を広げていくのです。
活性酸素が発生すると、体にもともと備わっている抗酸化物質が消去してくれるので、体は安全に守られています。
私達が抗酸化物質の必要な訳は、有害な活性酸素に満ちた世界に住み、一息ごとに吸い込んでいるためです。もし酸素がなくてもいきていけるなら、抗酸化剤は用がなくなります。
酸素を吸って生きている人間にとって、代謝の過程で発生する活性酸素の害は避けることのできないものです。
結論としては、活性酸素は有益で頼りがいのある物質であると共に、それが過剰になれば今度は恐ろしい害をもたらす物質になってしまうわけです。
●活性酸素の過剰発生
日常生活の中で必要以上に活性酸素ができてしまう時があります。それは
・激しいスポーツ、肉体的にきつい仕事などで大量に酸素を消費したとき。
・高密度の酸素吸入をしたとき。
・体内に病原菌が侵入してきたとき。
・大きな手術をしたり、強いストレスを感じたとき。
・大量の紫外線(海水浴、テニス、ゴルフ他)を浴びたとき。
・放射線(レントゲン、放射線療法など)を浴びたとき。
・体内に食品添加物、医薬品などの化学物質が入ってきたとき。
・電磁波(携帯電話、パソコン、電子レンジ、高圧線、OA機器)を浴びたとき。
・大量に飲酒したとき。(飲み過ぎ)
などがあげられます。
ということは、現代の便利で快適な暮らしを追求してきた結果として弊害のひとつにあがるのが活性酸素の問題なのです。
※活性酸素は直接あるいは間接的にほとんどの疾患に関与しています。
1980年代に『ガンができる原因は過剰な活性酸素の発生による』という研究結果が続々と発表されました。
さらに研究が進むにつれて、心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病も『大量の活性酸素によって生じた過酸化脂質が原因である』ということも明らかになりました。
そして、老化の最大の原因ということも明らかになりました。
老化現象、生活習慣病、ほとんどの病気は、身体が活性酸素との戦いに敗れた結果だったのです。
活性酸素の対策を考えていけば、体の悩みの多くを解決する糸口が見つかるのです。 |